コラム

北原 白秋

2017/11/2 考える知識

 112日は北原白秋という偉大な文学者の命日であり、彼の文学的業績を(しの)ぼうということで白秋忌(はくしゅうき)」とも呼ばれています。白秋といえば、中学国語の教科書に必ず短歌が載っているほど有名な歌人(かじん)ですが、実は詩や童謡にも多くの傑作を残しています。例えば『♪あめあめ ふれふれ かあさんが じゃのめで おむかい うれしいな ピッチピッチ チャップチャップ ランランラン』という誰もが口ずさんだことがあるこの歌詞は白秋が手掛けたものです。

 白秋の代表的な短歌も一つ挙げておきましょう。

『春の鳥 な鳴きそ鳴きそ あかあかと ()()の草に 日の入る(ゆうべ) ※ 春の夕暮れ時、戸外の草原を赤々と染めながら、夕陽がゆっくり沈もうとしている。小鳥よ、そんなに(かな)しい声で鳴かないでおくれ。いよいよ(さび)しさが(つの)っていってしまうから。

 作品によってこれだけイメージがちがうことこそ、白秋が天才である証なのかも知れませんね。

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