コラム
中学受験を左右する “大人たちの眼差し” とは?
2016/1/29 代表執筆
中学受験を通して主体性を培う!
進学教室ルータス代表 山根克宏
「欲しい生徒」を見極めるための入試問題。
中高一貫校の大半は、責任を持って預かれる生徒を選別するための入試を実施しています。「校風に合った生徒、入学後の伸び代がある生徒を見極めたい。」そう考えて、真剣に問題作成に取り組んでいるのです。入試問題は、学校ごとの特色が色濃く表れた内容になっていて、無色透明な模試の偏差値で合否を占うことは難しいと言えます。
主体的な学習姿勢が、第一志望合格の鍵。
四・五年生のうちに文化祭や説明会に足を運び、学校文化や教育方針に触れる。六年生の秋以降は、過去問を解いて出題傾向を研究し、それに対応できる学力を磨く。「この学校に通いたい!」という情熱に支えられた主体的な取り組みこそ、第一志望合格の鍵なのです。
初めから「主体性」のある子は、1%未満。
もちろん、初めから主体的に勉強できる子なんていません。漢字を覚えるのが面倒だったり、算数の宿題がなかなか終わらなかったり。辛くて、嫌になってしまう日もあるでしょう。そんな時、大人は「努力もせずに初めから面白いことなんて滅多にあるもんか。」と言って毅然と諭すべきだと思います。
努力が結果に表れた達成感は、やがて好奇心や意欲を膨らませ、「勉強することで自分が成長できている」という充足感まで繋がっていきます。四年生までは、達成感を道標にできていれば大丈夫でしょう。
大人たちの眼差しが子どもの主体性を育む
努力が結果に表れたという喜び。そこが始まりです。その達成感を好奇心や意欲へと繋げ、やがては「勉強することで自分が成長できている」という充足感まで子どもを導いていくのも大人たちの役割です。
「模試の結果もさることながら、あえて中学入試という険しい道を選んだ勇気を見守っていこう。」そんな大人たちの眼差しが、子どもの主体性を育む土壌であり、受験本番での底力となるにちがいありません。
(2015年1月浦安新聞掲載)