コラム
「不思議な読み方」
2015/1/12 考える知識
先月のコラムでは熟字訓についてのお話をしましたね。「小豆」や「果物」のように、ほとんどの熟字訓は個々の漢字の読みと言葉全体の読みが一致していません。
熟字訓のほかにも、一見不思議な読み方をする言葉はあります。たとえば一部の当て字。当て字というのは言葉自体ができた後で無理やり漢字を当てたもので、音を重視したものだと「天婦羅(てんぷら)」「沢山(たくさん)」など、字義を重視したものだと「煙草(たばこ)」「骨牌(カルタ)」などがあります。後者のパターンはやはり個々の漢字の読みと言葉全体の読みが一致しませんね。
他には音便など。音便というのは簡単に言えば全国規模のなまりです。大昔は「素人」と書いて「しろひと」と読んでいたものが、長い時を経てなまり「しろうと」に変わった……などの例が挙げられます。
次回のコラムは当て字を使った地名のお話をします。