コラム

2020/5/28 考える知識

日本にはたくさんの雨を表す言葉があります。長い時間を掛けてしとしと降る雨、短い時間にざんざん降る雨、晴れているのに降る雨──温帯湿潤気候で雨の多い日本では、一口に雨と言っても様々な雨があり、日本人はその細かな違いを敏感に感じ取っていたのです。一説には雨の呼び名だけで400語以上あるとか。今日はその一部を紹介します。

 まずは、もうすぐやって来る「梅雨」。「つゆ」や「ばいう」と読みます。夏至の頃を中心として前後20日ずつくらいの雨期を指す言葉です。梅の実が熟して黄色く色づく時期と重なることからこの漢字が使われます。

 次は「時雨」。「しぐれ」と読みます。晩秋から冬にかけての、降ったり止んだりを繰り返すあまり強くない通り雨のことです。時雨自体は冬の季語ですが、蝉が一斉に鳴いたり鳴き止んだりを繰り返す様子を時雨に例えた「蝉時雨」という夏の季語もあります。

 梅雨も時雨もそれぞれ関連語がまだたくさんあるあるので是非調べてみましょう。これからの時期、雨が続くと憂鬱になりがちですが、今降っている雨にはどんな言葉がぴったりか考えながら過ごすのも良いかもしれませんね。

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